詐欺

今年も我が家に詐欺がやってきました。仕組みはお歳暮と言われ配達から受け取ると、多額の請求を後に取られるというもの。今年はロードバイク。近所にバイクロードがないことを伝えても、でも自転車ロードはあるっしょと金髪の若者は答えてくる。理屈がとても下手だが、自信だけはエグいから厄介だ。彼に正論は一切通用せず、会話の端々にハブとマングースの例えを幾度となく使ってくるが一度も納得出来たことはない。

一度出身を聞いたことがあるが、親の顔が見てみたいわ!でかわされた。その後、彼の地元の泡盛を買わされた。ファーストインプレッションの顔の濃さと一度電話でうちなーと言っているのを聞いた時から答えには辿り着いてたが、そういう時こそ弄びたくなる性分だった。商売上手といえば商売上手なのかもしれないが、それは無自覚によるものでその愛くるしさがたまらなく人を惹きつける。

見た目と違って喧嘩が大嫌いで、一緒に伊豆に旅行した時、海岸線をレンタカーで走行中、揉めている輩を発見すると拡声器で注意していた。泊まった旅館でぼんやりSNSを見ていると、

今日金髪に拡声器でなんか言われたww

と投稿されていてそれに対し、

嘘つくなカスww

とやりとりが行われていた。

嘘じゃねえしw、は?証拠あんのかよw

それ以上見るのはやめて眠りについた。もちろん詐欺師にも言わずに。翌朝、そのままの画面だった携帯を開くとコラッ📢とだけこれ以上スクロールできない一番下に書いてあった。

レンタカーはrent-a-carなので2台以上借りたらレントカーズになるとふと筆者が思いついたのは束の間、金髪の彼はパーティーオーガナイザーとして新たな人生を始めると打ち明けてきた。まともというパラダイムは彼には存在しない。会話が出来ないんだもん。そりゃ仕方ないよ。

最後に、頑張れよと言ったけど、睫毛と眉毛入れ替えてもバレないよう頑張る💪と絵文字通り二の腕を出して返ってくる。彼が帰ってくることはないだろう。じゃあな👋と手を振ると、ナイスパス!と靴を脱いで何とかびっくりマークを作る。振り返ることはせず、ひたすら歩く。新たな詐欺を探す旅路へと。